芸術療法とは、絵画造形等アートを用いて言語化しづらいものを表現することにより、ストレスの緩和や自分の心に耳を傾けコンタクトをとる手助けをするものです。
心の中を表現し、自己発見することの援助がメインであり、
アートセラピーによって人の内面を探ったりジャッジしたりすることはしません。
芸術療法によっておこる代表的な3つの気づきがあります。
① クライエント自身が活動中に自分の心の内に気づく。
② カウンセラーがクライエントの心の内に気づく。
③ カウンセラーの働きかけ(質問や感想)によって、クライエントが自分の心の内に気づく。
芸術療法では、クライアントに行うかどうかの意思確認(インフォームドコンセント)がとても重要です。
・効果や意義を丁寧に説明する。(断る自由を保障)
・芸術性を求めすぎない。
・カウンセラーは芸術活動の技能が熟練したものでなくてもよい。
・うまい下手は関係ないことを伝える。
・絵はその人の心の一部であり、大切な作品であることを忘れない。
大切に扱うこと。
カウンセリングの流れの中の描画と、
医師の診断に使う心理検査の描画テストとは、
同じ木をかくとしても別物です。
カウンセリングの中の描画はクライエントの気づきにつながることが大切で、
カウンセラーがクライアントの内面を探る道具として使ってしまうと、
信頼関係が崩れる恐れがあります。
効果や意義の説明と、クライアントに断る権利があることをきちんと伝えたうえで開始することが大切です。
クライアントが描いた絵と、その時語ったストーリーは、
記録として残りますので、回を重ねたのち、振り返って絵を見ることが出来るのも芸術療法の魅力のひとつです。