感情は味わいづらいから振り回される

どうしてカッとなって怒ってしまったのだろうか?

どうして余計なことを言ってしまったのだろうか?

 

と悩む体験をされてことはありますか?

 

その原因として、日常で自分の感情を味わい受け止めきれてないからということがあげられるかもしれません。

 

 

自分はこう思っている、こう感じている、というのを素直に感じ取るのは年を重ねると難しい場合が多いです。

 

逆に、自分が他人にして欲しいことを「相手は自分にこうするべきだ」と理由をつけて指示を出すということは比較的簡単にできるようです。

 

 

例えばよい例かわかりませんが、

母親に対して「生んでくれとは頼んでない。子供をつくったからには責任をもって息子の世話をするべきだ」と主張する25歳の男性がいるとします。

自分は母親に対して「怒っている」と思っています。

(実際の事例ではなくフェイク事例です)

 

しかし本当は職場でうまくいっておらず疲弊していて誰かに頼ったり甘えたりしたいというのが本音として背景にあります。

 

本当の感情は「不安」や「恐れ」で、母親に「助けて」とヘルプを出したい。

しかし、成人した男性が母親に甘えるのはおかしいと社会の中で育まれた意識がそれを邪魔します。

 

そこで冒頭の「生んでくれとは頼んでない。子供をつくったからには責任をもって息子の世話をするべきだ」が出てくるわけです。

 

不安と恐れを抱えて生活しているので、

ちょっとした刺激で感情がコントロールできなくなり、

 

どうしてカッとなって怒ってしまったのだろうか?

どうして余計なことを言ってしまったのだろうか?

 

と悩む体験につながるケースは少なくありません。

 

そういう言語化できていない感情を発散して昇華していくのが

アートセラピーで、表現訓練とも言えます。

 

出来たものの意味や分析よりも、その作る過程とそこに生まれるストーリーに意味があります。

 

また次回はアートセラピーをお勧めしたい理由にもつながる、

マズローが見出した、自己実現者に特徴的な個人資質 と自己実現への過程に重要だと思われる行動についてご紹介したいと思います。

 

 

(一社)日本医療カウンセラー協会 色彩心理学講師 田中康代